2018年6月11日:大阪城ホール大会「IWGPヘビー級選手権試合」王者:オカダ・カズチカに勝利し初戴冠したバレットクラブのケニー・オメガが「二夜明け会見」を行った。

そこで、ケニー・オメガが新日本プロレスに所属する日本人選手に向けて批判した。

また、あえて「隙」を見せ「罠」を仕掛けている辺り・・・用意周到でプロレス脳が優れていると判断出来てしまう会見だった。

■ケニー・オメガ選手のコメント

「オーサカジョーホールのメインイベントからまだ数日しか経っていなわけだが、この試合の前にも、もっと楽にここまで来れれば良かったんじゃないかと思ったりもしたが、これまで闘ってきたどのシングルマッチよりも、努力を惜しまずに練習を続けてこの試合に挑んだ。この試合の前、自分自身すでに心身ともに打ち砕かれ、友人を失い、財産も失い、すべてをなくした状態で、キャリアでも一番厳しい試合とも思われるものを闘い抜き、このベルトを勝ち取った。

そういったすべての努力というものも、この勝利につながったが、このベルトはそれ以上の本当に意味のあるものになった。いま現在、完全に身体は痛みつけられているし、疲労もあり、アザもキズもまだ残ってるけど、こうしてしっかりとスーツを着て、チャンピオンとして、皆さんに会うためにここに来た。そして、自分の10年の苦悩というのは価値のあるモノだったと思う」

■質疑応答

――過去に『G1 CLIMAX』を制覇したり、1.4東京ドームのメインの舞台に立ったりと、様々な成績を残してきましたが、今回のIWGPヘビー級王座戴冠というのは世界中から反響がありましたか?

ケニー「もちろんだ。闘いだけではなく、人生の中で様々な目標を人々は立てると思う。そういった数々の目標というのは、一つ一つを順番に達成するわけではないかもしれない。でも、IWGPジュニアヘビー級のベルトを獲った時、まさか自分が『G1』で優勝することも予測しなかった。そして、トーキョードームでメインを飾ることも想像していなかった。ましてや、IWGPヘビー級のベルトを獲得することを思ってはいなかった。でも、『G1』を優勝した時、少しそこで自分の未来というものが見えてきた予感がした。その未来とは何かというと、自分がこれまでに達成してきたことであり、その一つがトーキョードームでのメインイベント。

で、ここでも『もしかしたら、もっと上にいけるのかもしれない』と思った。そして、『自分がこの団体、もしくはプロレスで最強になれるかもしれない』と思ったけど、何度も何度もトライしたにもかからず、なかなか、オカダ・カズチカという男には届くことができなかった。彼を越えることができなかった。でも、ついに2日前、しっかりとした準備を怠らず、愛と友情の力を借りて、そして自分自身を信じること、これらすべてを成し遂げたうえで、このベルトを獲得することができた。自分にとってはもともとは信じられなかったことが起こりました。このIWGPのベルトというのは、新日本プロレスにおけるトップの象徴だと思うが、自分にとってはそれ以上のものだ。そして、このベルトを長い間、保持し続けたオカダ・カズチカというのは、世界最強、最高の素晴らしい選手だったと思う。

いまは、オカダ・カズチカという男がスタンダードになっていて、イギリス、アメリカ、WWE、世界中の選手が『オカダのようになりたい。オカダと闘いたい』と思ってプロレスを続けているでしょう。しかし、いまこのベルトは自分のもとにある。“ベストバウトマシーン”、そして“ベストパフォーマー”の自分自身がこれからはその役割を担っていく。このベルトを持った自分自身が、これからはプロレスを代表していく。そして、新しい標準を作っていかなければいけないと思っている。そして、私は新日本プロレスの美しさ、強さというものを、皆さんにみせていきたいと思っている。もしかしたら、これからまたゴールを見つけるかもしれないけど、いまは新しい責任感というものに自分自身を浸らせている」

――サンフランシスコ大会では、Cody選手との防衛戦が決定しましたが、いまの心境は?

ケニー「この試合が決まった時、この試合というのは本当に怨恨含む血みどろな闘いになるのではないかと予想はしていた。なぜならば、もちろん自分はCodyのことを憎んでいたし、彼がここ数か月、自分自身に苦しみを与えた張本人だったからだ。だが、いまこの段階で、自分には新しい視点が芽生えた。いまはCodyのことを好きですし、『彼はスポットライトを望む男なんだな』と思った。そして、彼が望むスポットライトを当てられるに値する選手だと思っている。自分はROHの試合でCodyに敗れた。しかし、いまはそういったものを横に置いておきたいと思う。なぜならば、これは個人的な怨恨とかそういった闘いではないからだ。そして、Codyは挑戦するに値する強さを持っていて、それなりのアピールをしたからこそ、この挑戦が決定したんだと思う。

しっかりとは覚えていないが、自分の成績を振り合えると、自分の負けの中で心に残っていて痛みを覚えているのは、Codyとの試合だ。もし、彼が『このベルに挑戦したい』というのであれば、もちろん権利はあると思う。新日本プロレスが“最強の挑戦者”と認定したからこそ、このカードが決定したんだと思う。そして、それがサンフランシスコでおこなわれるというのも、なにか大きな意味があると思う。ケニー・オメガ対Cody、かたやIWGPヘビー級のチャンピオンになっていて、そして相手は“アメリカン・ナイトメア”。これは新日本プロレスの興行ではあるが、アメリカでおこなわれるということで、どちらにとっても“ホームフィールドアドバンテージ”はない。Cody戦は、俺自身が新日本プロレスを代表しての大きな闘いになるだろう」

――先日、“ゴールデンELITE”というユニットも発表しましたが、BULLET CLUBと併用していくと。

ケニー「状況的には、何も変わっていない。自分はBULLET CLUBのリーダーだ。そして、この前発表した“ゴールデンELITE”というのは、新たなブランドだと思ってもらいたい。イブシは“THE ELITE”のメンバーであると自分自身思っているが、BULLET CLUBではない。イブシはこのプロレスの世界を新たな次元に持って行けて、新たな世界観をみせてくれる選手だと思っている。そして、イブシ選手はヤングバックスとも仲が良い。なので、『このメンバーで何か世界を変えていこう』ということも含めての新たなブランディングが、この“ゴールデンELITE”だ。イブシはBULLET CLUBのメンバーではないが、ヤングバックス、ケニー・オメガはBULLET CLUB に属している。そして、奇しくもCodyもBULLET CLUBに属している。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった時に、しっかりとすべてが元に戻って、ファインな状態になればいいなと思っている」

――6.9大阪城を終えて、IWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタル、IWGP USヘビー、NEVER無差別級、IWGPタッグ、すべてのヘビー級ベルトを外国人選手が持っている状況となりましたが。

ケニー「そうでしたね。自分もクリス・ジェリコとはトーキョードームで対戦したが、こういう展開になるということはまったく予想してはいなかった。でも、クリス・ジェリコというのはプロレス史上最高峰の選手の一人であると思われる。もちろん、ナイトーも日本国内ではとても人気があって、会場に行けばロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズを身に付けているファンがたくさんいるし、『トランキーロ』あの姿勢なんかも、すごく人気が出る要因にはなったと思う。でも、ナイトー・テツヤという男は、ワールドワイドのスーパースターではない。まさに、世界規模のスーパースターとしての思考がない。なので、この試合が決まった時、『ナイトーは大変なことになるだろうな』ということは容易に予測がついた。

そして、マイケル・エルガン。彼ともオーサカジョーホールで過去に対戦したが、その時に彼が勝った試合を皆さんは覚えていると思う。あのようなビッグマッチの前、マイケル・エルガンという男は必ず完璧な状態に自分自身を整えてから試合に臨む男だ。実際、2日前の試合もそうだった。いままでにないぐらい素晴らしい身体に仕上げて、試合に挑んだ。それだけのことができる男ですから、もちろんベルトを勝ち取ることも想像はついた。日本人選手というのは、やはり『楽な試合をしてるんじゃないか』と思う。というのも、我々外国人選手のように長い移動もなければ、一回ベルトを獲られたところでまたすぐにチャンスが巡ってくる。そういう闘い方をしている選手とマイケル・エルガンを比べてれば、それはまったく頭の中でマインドが違うと思う。必ずしっかりと整えてきたマイケル・エルガンが勝つことは当然のことだと思う。そして、クリス・ジェリコもそうだ。彼も年に一回か二回、いくらギャラをもらっているかわからないが、そんなお金のためだけに来ている男ではない。日本に来て試合をするのは、必ず自分自身の存在をアピールするためにやってきてるんだ。

そして、2日前の試合で彼の持ちうる限りの経験を存分に発揮した。自分はカナダ人だが、新日本プロレスがホームだと思っている。カナダ出身だが、いまは日本に居住している。だから、ここで日本人に一言いっておきたい。自分たちはより強くなくてはならない。3人のカナダ人がいまタイトルを持っていて、トップ2のベルトをウィニペグ出身のカナダ人が持っているというのは大変喜ばしいことではあるが、国内の日本人選手には一つこれを警告だと受け止めてもらいたい。別に悪い意味で言うつもりはないが、皆さんしっかりと自分自身をアピールして、より強くなるべきです。なぜならば、アナタたちは外国人選手にはまだ力が及びません。みんなで頑張ってほしい。そういった叱咤の意味をこめて、ここで一つメッセージを送りたいと思う」

引用記事:新日本プロレス公式



この会見で注目してほしいところは・・・

日本人選手というのは、やはり『楽な試合をしてるんじゃないか』と思う。というのも、我々外国人選手のように長い移動もなければ、一回ベルトを獲られたところでまたすぐにチャンスが巡ってくる。

このコメントを素直に受け止めるならケニー・オメガの言っていることは正論・・・

でも、あえて「逆」に【深読み】すると・・・

外国人選手をもっと新日本プロレスのリングに上がらせてほしいと新社長メイ氏に訴えかけているようにも感じるのである。

・・・プロレスラーも人間。

リングに上がらなければファイトマネーはもらえない。ここ最近、バッドラック・ファレやタマ・トンガ、タンガ・ロアがシリーズに参加していないことを考えれば、当然、金銭面での悩みも出てくるだろう。

だから、あえて日本人を批判し外国人選手のプロ意識の高さに視線を集めさせようと目論んでいるのかもしれない。

そして、会社に対して外国人をもっと使え!とアピールしているのかもしれない。

まぁ、日本人選手の中にはケニーが言う通り、「自分自身の存在をアピール」しなくとも試合に出場できている選手もいますからね。

また・・・

マイケル・エルガンの「いままでにないぐらい素晴らしい身体に仕上げて、試合に挑んだ。」と「プロ意識」を褒めていたが・・・

これも、この会見でバレットクラブでもないマイケル・エルガンの名前をあえて出したということは、金銭的な問題を抱えている可能性も十分に考えられること。

だから、名前を挙げ、会社に訴えかけたと考えることも出来る。

確か・・・自身の団体「グローリー・プロ」を女性問題で売却したことが噂されていたはずだから。

マイケル・エルガン、来年内藤哲也の出場が決まっているのに自身の団体グローリー・プロを売りに出す

※参照記事:青空プロレス様



内藤哲也はこの「罠」に気付けるか?

この会見、新日本プロレスワールドで何度も視聴したが・・・

本当に面白い。

youtu.be

ケニー・オメガが、あえて「隙」を作り「罠」を仕掛けているのが誰でも分かる。「罠」に、はめようとしているのは日本人選手なのか?それとも内藤哲也なのか?ファンなのか?分からないが、必ず「噛みついて批判してくる」ようにワードをちりばめて話している・・・

まず「罠」とは、この部分である。

日本人選手というのは、やはり『楽な試合をしてるんじゃないか』と思う。というのも、我々外国人選手のように長い移動もなければ・・・

これ・・・

どー考えても・・・

「シリーズに参戦していないオマエが言うな!」と批判が集まると思わないか?

また、

内藤哲也が噛みついてくるネタだと思わないか?

まともに巡業に参加していない選手がメインの舞台に上がることを「強く」批判している内藤哲也にとって「仕掛けている」ように思わないか?

つまり、わざと「隙」をみせ・・・「どうせ、お前はココに噛みついてくるんだろ!」と言わんばかりの「罠」を仕掛けるケニー・オメガ。

・・・これ、まともに乗っかたら、ケニーオメガから笑われるぞ!

やっぱりな!と・・・

だから、ワールドワイドなスーパースターになれないんだ!と・・・

さぁ、どうする?内藤哲也?

ケニー・オメガ「(日本人選手というのは)一回ベルトを獲られたところでまたすぐにチャンスが巡ってくる。」と批判|新日本プロレス

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