ケニー・オメガのターニングポイント。
私は、この試合だと思っている。
2016年8月13日 東京・両国国技館 第9試合 「G1 CLIMAX 26」Bブロック公式戦
内藤哲也 vs ケニー・オメガ
この日の試合、私を含め、多くのファンは内藤哲也の勝利を確信していた。前の前の試合でEVILが柴田勝頼に勝ち、ある意味、お膳立てとすら思っていた。
しかし、結果は、ケニー・オメガの勝利。
ここからは、マニア的に【深読み】になります。
先にケニー・オメガが入場してきた。
ケニーの表情を見ると、なんとなく「認められた」という表情にも感じる。
まだ、お客様は知らないだろ?
このオレが、新日本プロレスという団体で認められたことを。
外国人であるオレが認められたんだ。
これから認められたことを証明してやる!
内藤哲也が入場する。
2016年4月10日:両国国技館から完全にこの新日本プロレスは内藤哲也の一挙手一投足から目が離せないでいる。
大歓声が送られる。
会場は内藤コールで埋め尽くされる。
この歓声を聞くケニー・オメガ。
・・・このような感情で
内藤哲也のリングインを待っていただろう。
この大歓声をオレのモノにしてやる!
そう、欲望の塊だ。
でも、この欲望が会社から認められた。
その瞬間をお前ら(お客様)は味合うことが出来るんだ。
こんな嬉しいことはないじゃないか?
この空気を楽しめ。
そう、そうだ。
ナイトーに大歓声を浴びせろ!
そう、そうだ!
ナイトーに期待する分だけ、あとでオレに返ってくる。
それでイイ、それで・・・
内藤哲也は、4月の両国で大歓声を浴び、支持を獲得した。1つ上の目線からケニー・オメガを見ることが出来る。
なにせ、願望ステージだから。
内藤哲也はケニー・オメガを睨みつける。
どんな表情をしているのか?
自分の歩いてきた道を確認するかのようにケニー・オメガの表情を見てみる。合わせ鏡のように、昔の自分を見るかのような感覚で・・・
そう・・・
そうだったんだよ。
オレも、あのとき(4月10日)、そんな感じの表情「心の中で表現」をしていたんだよ、
きっと・・・。
そこで、内藤哲也はあることに気付く。
そう・・・
2013年の「G1」で優勝した時のこと。
内藤哲也の対戦相手は、棚橋弘至。
棚橋弘至は、ここで内藤哲也の表情を伺っていたはず。
でも、棚橋弘至は何度も何度もこんな経験をしている。
だから、お膳立てをする方法なんて、分かっている。
けど、そのお膳立てに対してオレは答えることが出来なかった。
つまり、同じ過ちをケニー・オメガにしてはならないことを知っていた。もし、なにも知らないままにこの試合を迎えていたら、間違いなく、ケニー・オメガをスターにすることは出来ない。
だから、オレは全力でケニー・オメガに負ける。
そして・・・
上手に階段を駆け上がってくれ・・・