2017.7.17 「北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる」にて「G1クライマックス27・開幕戦」で闘う、内藤哲也 と飯伏幸太のインタビューが新日本プロレス公式にて無料公開された。

まず、両者のインタビューを見てみようと思う。

内藤哲也のインタビュー

――さて、内藤選手。ついに、『G1 CLIMAX 27』の出場選手が発表されましたが、今回のメンバーについてはいかがですか?

内藤 ……非常に残念ですね。このリーグ戦ならではの“同門対決”として、ボクの中でSANADA、もしくはEVILと闘えると楽しみにしてきた部分があったので。ま、さすがに3人とも同じブロックはないと。2:1になるだろうなと思ってましたけど、俺が一人になるとはね……。

――内藤さん的には、SANADA選手かEVIL選手と闘いたかったと。

内藤 ハイ。ただ今回、一人ぼっちになっちゃったし……「この2人のどちらかと対戦できる」それが『G1』の一番の楽しみでもあったので、このブロック分けに関しては、“非常に残念”でしたね。

――では、『G1』へのモチベーションが落ちましたか?

内藤 いや、モチベーションは落ちないですけどね(ニヤリ)。

――そして、今回は内藤選手とも関係が深い飯伏幸太選手の『G1』参戦が発表されましたが。

内藤 あの時、ボクは後楽園ホールの控室のモニターで発表を見てましたよ。で、一番最後に彼の名前が発表されて会場の歓声が控室にも聞こえてきましたよね。ただ、すぐに俺の頭の中にある疑問が浮かんできました。

――どんな疑問ですか?

内藤 「彼はこの『G1 CLIMAX』にエントリーできるような選手なのか?」と。確かにお客様の期待感だったり、彼の持ってる身体能力、そういうものはもちろんよく知ってますよ。ただ、彼はこの1年間で何をして来たのかと。この『G1 CLIMAX』はほとんど試合をしてなかった選手が出れるような大会なのかと。それを考えた時に飯伏幸太の参戦っていうのは、ボクの頭の中でハテナマークでしたね。

――ファンは大歓声でしたが、内藤選手から見るとそういう風に感じるわけですね。

内藤 ハイ。

――以前、飯伏選手の新日本プロレスとDDTのダブル退団についても話を伺いましたが、改めてその件について聞かせてください。

内藤 そもそもボクは“ダブル所属”ということに疑問を抱いてました。「新日本の大会にほとんど出てないのに所属って、これは一体なんなんだろう?」と。「この特別扱いは一体なんなんだろう?」と思ってたので、新日本を辞めるってなった時も別に寂しさは一切なかったですよ。

――なるほど。

内藤 逆に「さっさとそうするべきだったでしょ?」と。「だってアナタは新日本の大会にほとんど出てないんだから」という思いがあったので。

――そうは言っても、いままでの関係性もありますし、飯伏選手の活動は気にはしていましたか?

内藤 そうですね。たしかにボクは彼のことをいままでずっと気になってましたね。彼の存在が気になってしょうがなかったんですけど、彼が辞めた以降はまったく気にならなかったし、まったくボクの視界に入ってくることはなかったです(キッパリ)。

――飯伏選手はここ数年間で「内藤選手に上へいかれた」とおっしゃってましたが。

内藤 フフフ。それが彼の本音かどうか彼の性格的にもよくわかりませんけど、事実もう彼の手の届かないところに俺はいますよ? このままいったら、“年間数試合”しかやらない彼が俺のもとへ辿り着けることは二度とないでしょう。

――ただ、飯伏選手は「自分は自分なりに新日本でないところで、内藤選手たちができない経験をしてきた」とおっしゃってましたが。

内藤 へぇ。そうですか。じゃあ、彼はWWEで何試合やったんですか?

――それほど多くの試合はやってないと思いますが……。

内藤 まぁ、全部合わせたとしても10試合とかそんなもんでしょ? その10試合がこの新日本プロレスの140試合とかよりも上回ってるとは俺には思えない。たしかに俺が経験したくてもできないようなことをしてるかもしれないけど「それ以上のことを俺はしてるよ?」と。なので、悪いけど同じ目線で見てほしくないですね。

――では、いまの新日本プロレスに飯伏選手が入ってくることに関しては?

内藤 それは彼の覚悟次第じゃないですか? 結局、いままで通り「たまに新日本に出れればいいや」ぐらいの気持ちだったら、ハッキリ言って必要ないですね。

――なかなか手厳しいですね。

内藤 新日本プロレスにとって足を引っ張る存在でしかないから。その程度の覚悟だったら、そもそも『G1』も辞退するべきですね。そんなたまに出てきていい思いができるほど新日本プロレスのリングは甘くないですからね。

――そういう面で言うと、昔は飯伏選手とケニー・オメガ選手がセットでくくられるイメージでしたが、いまの飯伏選手とケニー選手は違いますか?

内藤 そもそもいまの飯伏幸太をボクは知らないですから。昔は“飯伏&ケニー”っていうイメージがありましたけど、この前のロサンゼルス大会もそうですし、最近の新日本プロレスでの活躍を見て、いまはセットで比べられないぐらい「ケニー・オメガは完全に自分を確立してしまったんじゃないかな」と感じますね。

――では、内藤選手の中で飯伏幸太とケニー・オメガがすっかり切り離されてるわけですね。

内藤 そうですね。「ケニー・オメガと飯伏幸太の闘いを見たい」っていう声も聞きますけど、いまやったら皆様が期待しているものは見せられないですよ。それぐらいケニー・オメガっていうのは確立してるので。

――先ほど試合数の話もありましたが、レスラーにとって「試合数をこなす」というのはそれほど大きいですか?

内藤 大きいと思いますし、逆に数をこなしてマイナスになるんだったら、いま新日本プロレスはこんなに試合をしてないと思いますからね(苦笑)。ホント、年間10試合でトップに立てるんだったら、俺も年間10試合だけの契約にしますよ。月一で最高のモノを見せられるんだったら俺もそうしますよ?

――いま厳しい言葉もあった飯伏選手とは開幕戦となる7月17日(月・祝)札幌大会の『G1』公式戦で対戦しますが。

内藤 やはり、年間10試合程度しかやってない人間と、年間100試合以上やってる人間の違いを見せるには、開幕戦は一番いい舞台ですね。お互いダメージがないですから。お互い言い訳できない状態で対戦できると。

――ただ、過去の飯伏選手は狂気じみた部分があったり、何をしてくるか予測不能な部分もありましたが、過去のこういう部分が出たら怖いなっっていう部分は?

内藤 一切ないです(即答して)。

――それはこの2年で培ってきたモノが違うと。

内藤 まったく違うと思いますし、「俺の言葉が間違ってなかった」とキッチリ示せると思います。申し訳ないですけど、今回の『G1 CLIMAX』Aブロックの公式戦9試合の中で俺にとって、飯伏戦が一番の“消化試合”ですね(ニヤリ)。

引用記事:新日本プロレス公式

飯伏幸太のインタビュー

――さて、飯伏選手。飯伏選手が新日本プロレスを離れている間に、ライバルだった内藤哲也選手が急浮上しています。

飯伏 いや~、この1年半ぐらいですか。自分が新日本プロレスに出なくなってから、内藤さんの活躍はもの凄いですよね。

――逆に、飯伏選手が新日本に上がっていた時は、内藤選手のことをどのようにご覧になってました?

飯伏 たぶん、おたがいがおたがいを「下だ」と思ってたと思います(ニヤリ)。内藤さんが自分を「下に見てるな」ってのもわかってたし。で、自分も内藤さんを見下しながら……。

――たがいに見下し合っていましたか(笑)。

飯伏 ええ。ただ、当時の自分はけっこう内藤さんに毒も吐いてたんですけど、それは自分へ向けたプレッシャーでもあったり。あと、やっぱり同い年なんで当時はおたがいに「意識し合ってる部分があるのかな」と。でも、いまの自分は内藤さんに相手されてない感じがしますね。

――飯伏選手が退団した当時、内藤選手に話を伺ったら「彼は、所属といってもシリーズ全部を回ってるわけじゃないし、ビッグマッチしか来ない。そんな選手が退団しても何とも思わないです」というようなことをおっしゃってましたが。

飯伏 そうですね。実際、そうだったし……。ただ、自分の中では所属しているという意識はありました。でも、そこで「同じ所属じゃないか?」と言っても、内藤さん側からしたら、「そう思うのがあたりまえかな」とも思うんですけど。でも、そのぶん自分は内藤さんがやっていない経験をしてきているんで。そういう発言もべつに気にならないというか。「だから、なんなんだ?」っていう感じですね。

■L・I・Jは、正直、「おもしろいな」と思います。その「おもしろい」の中のほとんどが「うらやましい」って部分

――飯伏選手が新日本に所属していた時、“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(※以後「L・I・J」と表記)”の内藤哲也とは微妙に時期が被っていない時期でしたかね。

飯伏 ボクがいた時も、そのユニットはあったんですけど、いまみたいな人数にはまだなってなかったですね。

――このL・I・Jというユニットに関しては、どういった印象をお持ちですか?

飯伏 正直、「おもしろいな」と思いますね。その「おもしろい」の中のほとんどが「うらやましい」っていう部分があります。ああいうのは、自分もやりたかったような感じでもあるんです。

――あ、そうでしたか。ご自身の中で、内藤選手と“プロレス観”が近い部分もある?

飯伏 ええ。「けっこう近いんじゃないかな」って気持ちもありますね。同世代ということで、観てたものもほぼ同じですし。たしかに、内藤さんのプロレスと自分のプロレスはちょっと似てる部分があるかもしれない。

■内藤さんが新日本でやってきたことと、自分がいろんな場所で経験してきたことのぶつかり合いなのかなと

――そして、その内藤選手とは『G1 CLIMAX 27』の開幕戦、7月17日(月・祝)北海きたえーる大会での公式戦が決まりました。

飯伏 ハイ。この1年半ぐらいですかね。内藤さんが新日本プロレスでやってきたことと、自分がいろんな場所で経験してきたことのぶつかり合いなのかなと。ただ、いままでの成績だと、シングルマッチでは自分の方が勝ってるんじゃないかなと。

――総合戦績では飯伏選手のほうが上回っていると。

飯伏 たぶん「2勝1敗」とかだったと思います。今回はコレがどうなるのかっていう。ただ、自分にとってもこの一戦は重要というか。

――『G1』開幕ダッシュでもありますし、飯伏選手の新日本復帰戦であり、相手がライバルの内藤戦ですからね。

飯伏 ホントに重要です。

――しかも開幕戦に関しては、試合に向けた調整もできると思いますし。

飯伏 ハイ。だから、『G1』は開幕戦が一番全力を出せるというか、ココに照準を合わせることができる唯一の日だと思うので、ベストな日程ではあるんですよね。

――加えて、いまの飯伏幸太を見せるには、最高の獲物と言う部分もあるでしょうし。

飯伏 そうですね。さっきも言ったように、いまの自分は内藤さんに相手されてない感じがする。だからこそ、個人的には復帰戦の一発目が内藤さんで良かったなと思ってます。

引用記事:新日本プロレス公式

内藤哲也と飯伏幸太のインタビューを簡略的にまとめてしまうと・・・

内藤哲也・・・飯伏幸太は、1度、新日本プロレスを辞めている。だから、「G1クライマックス27」に・・・まして、開幕戦」に出場できるのは疑問でしかない。

飯伏幸太・・・自分は内藤さんがやっていない経験をしてきている。

・・・ここからは、私独自の視点でお話いたしますね。



まず、新日本プロレスという団体を一般企業と同じ「会社」として捉えるならば、圧倒的に内藤哲也を必要としているし、価値がある存在であることは間違いない。

なぜなら、サラリーマンでもそうだが、同じ会社に長く務めることで「信頼」が構築されるからだ。

対して、飯伏幸太は1度、新日本プロレスを辞めている。つまり、今回の参戦は、ある意味「ヘッドハンティング」的要素。

だから、それなりの待遇が必要となる。

その待遇こそが、開幕戦であり、地元「鹿児島」でのメインイベントの出場だ。

では、結果はどーなるのか?と考えると、やはり、「ヘッドハンティング」的要素の高い飯伏幸太が新日本プロレス最大のイベントで優勝することは考えにくい。

・・・もし、これが、「G1クライマックス27」ではなく、また「ニュージャパンカップ」でもない、もっと小さなリーグ戦やトーナメント戦であるならば、サプライズゲストが優勝することはあり得ると思うが、今回は、最大のイベント「G1クライマックス27」である。

仮に、飯伏幸太が優勝となれば間違いなく、契約上今後新日本プロレスの所属となるだろう。

けど、それは「自由人」の飯伏幸太にはありえないでしょ?

だから、飯伏幸太の優勝などあり得ないのである。

ただ、飯伏幸太のインタビューにもあるが、「自分は内藤さんがやっていない経験をしてきている。」という部分がある。

これは、私も共感できる部分である。

同じ会社に所属しているということは、同じ景色、同じ空気を吸い続けていることになるので、経験と言う側面から見ると、圧倒的に飯伏幸太のほうが上であることは間違いないことである。

これは、例え話になるが・・・

去年の「G1クライマックス26・優勝決定戦」を覚えているだろうか?そう、ケニーオメガ vs 後藤洋央紀である。

この1戦で1度だけ後藤洋央紀に対して会場から鬼のようなブーイングが飛んできた時がある。

両者への大声援で場内が騒然となる。その後、後藤がヘッドロックを極め、ショルダータックルをお見舞い。すると、オメガがその場飛びフランケンシュタイナーで反撃に出るが、後藤がカウンターミドルキックで吹き飛ばす。

後藤が足4の字固めでさらに攻めると、場内がブーイングに包まれる。

引用記事:新日本プロレス公式

この時、後藤洋央紀の対応の仕方が、ある意味、他の空気を吸って来たか?ということ。(ほんの一例)

もし、これが、鈴木みのるであれば、海外、プロレスリング・ノア、総合など他の空気吸いまくってきているんでしっかりとした対応が可能。

それが、飯伏幸太の主張する「自分は内藤さんがやっていない経験をしてきている。」になると思う。

だから、飯伏幸太の主張は、鈴木みのると同じなのである。

でも、ここで1つの疑問が湧いてくる・・・

そう、内藤哲也である。

内藤哲也は、他の空気を一切吸っていない・・・

(メキシコなどの遠征は新日本プロレスに所属しながら)

なのに、ブーイングに対応できている。

いや、お客様を手のひらで「逆に」転がしている。

不思議だと思わないか?

他の空気を一切吸ったことなのない内藤哲也が、あたかも経験豊富で「いろんな国を渡り歩いてきたぁ~」的な感じに見えてしまうのである。

もう1度言うが・・・

飯伏幸太の主張は、「自分は内藤さんがやっていない経験をしてきている。」である。

この主張は、間違っていないし、経験値から考えれば圧倒的に飯伏幸太のほうが有利。

けど、リングの上の内藤哲也は、経験豊富な感じにも伺えるのである。

何故か?

答えなど簡単である。

プライベートをすべてプロレスに注ぎ込んでいるからである。

・・・これは、おそらくだが、内藤哲也は朝から晩まで新日本プロレスワールドを見て、YouTubeを見て、気になるところがあればすぐに調べるクセが出来ている・・・そして、試合中にいろいろなことを試し、新日本プロレスのお客様にアクションやリアクションが受けるのか?受けないのか?常に検証している。

だから、毎試合毎試合きちんとテーマがある。

そして、その努力と毎試合の経験が蓄積されて今の内藤哲也が形成されたと私は考えている。

これは余談だが・・・ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバーも内藤哲也のプロレスに対する姿勢を学んでいるからこそ成長が早いのだと思う。

先ほど、後藤洋央紀のブーイングに対しての対応力の低さについて書いたが、それは、後藤洋央紀自身がプロレスの対する時間の使用が少ないからであると考えている。

だって、ツイッターやスマホ日記など読んでもほぼ家族の話。

また、『新日本プロレス・CHAOSのオールナイトニッポンR』の収録前インタビュー」で矢野通からの質問にこのように答えている。

矢野 だそうです。

――後藤選手はいかがですか?

後藤 大丈夫ですよ。

一同 ハハハ(笑)。

後藤 何がですか?

――今回のパーソナリティーを務めるにあたって。

後藤 まぁ、俺が喋らなくても、そういうのが得意な人たちが多いので、自分が無理矢理そこに入っていけるかっていう。

矢野 すぐ鞄をかけて帰ろうとするし(笑)。

後藤 いやいや(苦笑)。

引用記事:新日本プロレス公式

・・・重要なところは

「すぐ鞄をかけて帰ろうとするし(笑)。」

つまり、心理的に「すぐに帰りたい」ということは、プロレスのことを「仕事」としか捉えていない・・・また、家にすぐにでも帰りたい理由がプロレスという仕事以外に存在しているということ。

それが、プロレスに関連することであるならばいいが、SNSなどの更新を見ると、すぐに帰りたい理由は「家族」ではないかと推測できる。

だから、プロレス脳が上昇しないのである。でも、このスタイルが後藤洋央紀には似合っているし、家族想いの後藤洋央紀のほうが人気・価値としては安定感があるのではないか?

・・・ちょっと話が脱線したが、



最後にまとめると・・・

今の飯伏幸太は、人生の経験値で言えば内藤哲也よりも上。

しかし、今回の「G1クライマックス27」の参戦は、サプライズであり優勝などあり得ない。

おそらく、開幕戦と地元鹿児島でのメインの試合が契約条件。また、2018年の東京ドーム・ケニー・オメガとの対戦は、「G1クライマックス27」での活躍次第だろう。

まぁ、深読みだが・・・

内藤哲也に関して言えば、アメリカ大会後あたりから飯伏幸太の試合を動画で見まくってものすごく研究しているだろうと思う。

また、アベマTVでの無料放送もあることから、何かしらの新しいムーブを披露するのではないかと予測している。

これは、小話だが、オカダ・カズチカ(愛知)、棚橋弘至(岐阜)、SANADA(新潟)・・・全員、地元のシングル戦、メインイベントを外されている・・・なのに、飯伏幸太だけ地元でメインイベントでリスペクトする棚橋弘至と対戦。

すべては、契約上???

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